【エッセイ】坊主が憎けりゃ袈裟まで憎い件(認知の歪みについて)

休憩中にニュースを見ていたら”乳児を連れて議場入り、一時混乱”という、いかにも揉めそうな記事を見つけた。

この件に関する私の最初の反応はこれ。開会中の議場に立ち入ることができる人は決まっている、許可のない人は誰であれ立ち入ることはできない、たとえ議員の子でも例外ではない、というシンプルな理由で反対。

そのあと、しばらくして次のツイートがタイムライン上に流れてきた。

反対の理由はシンプルだが、津田大介氏のこのつぶやきに対する私の評価は、ちょっと複雑だった。というのも、「女性が職場に子どもを連れてこられない(から連れてこようとする)」という行為は、それがたとえ一般庶民の肌感覚では「迷惑行為」でも、「社会の公器」たる報道機関はそれを迷惑行為として片づけるのではなく、「社会をよくするためにあえて抗議活動をしているのだ」という側面も報じるべきだという主張なら、賛同できるからだ。

というわけで「そっか~TBSは単なる迷惑行為として報道しちゃったか~やっぱ駄目なテレビ局だな~でもそれはそれとして、議場に赤ん坊を連れてくるのはいかんぜよ」というのが私の反応だった。

……だったのであるが、その後になって元のソースの記事(とTBSのニュース映像)をちゃんと見たら、どうやら津田大介氏がまたデタラメを言ってるとわかった。TBS、別に「迷惑行為」っぽい文脈では報じてないし……。

熊本市議会 育児中女性議員、赤ちゃん連れ出席試みるも・・・

「賛成・・・かな。女性が頑張るには、そういうのをしないと」(熊本市民)
「私は反対。神聖な場所でしょうが、議場は」(熊本市民)
「(子育てが)社会問題になっているのに、職場では個人的な問題にされてしまう」(緒方夕佳 熊本市議)
幅広い市民の声を届けたいと話す緒方議員。悔しさからか、涙をぬぐう姿がありました。

出典: news.tbs.co.jp

(元のソースで映像を見てもらうのが一番公平だと思うのでぜひそうしていただきたいですが)抗議運動として「賛成…かな」という熊本市民A(年配の女性)のコメントが紹介されているし、「幅広い市民の声を届けたい」とか「女性議員の活躍に一石を投じるものとなるでしょうか」などど、概ね好意的な記述になっている。迷惑行為っぽく報じられているという印象を、わたしは感じなかった。

……それでも、このニュースのどのあたりが「迷惑行為」っぽい文脈だと津田大介氏には受け止められたのか、という問題が残る。これはもう想像するしかないのだが、熊本市民B(昭和のおっさん)のテンプレっぽい反応を両論併記したことか、あるいは(それに加えて)「(子育てが)社会的な問題になっているのに職場では個人的な問題にされてしまう」という緒方夕佳議員のコメントと、彼女が涙を流すシーンを紹介したことに問題があるのかなと思った。

というのも、事務方としては「事前に申請がない人物を議場に入れるわけにはいかない」というのが当然のルールなので、こうした全体のルールを緒方夕佳議員が尊重せず、無策(でもマスコミには伝えてありまーす)にも不意打ちを仕掛けた結果→慣例通り否定されました(当たり前でしょ)という経緯を、「(社会の問題を)個人的な問題にされてしまった」としか振り返ることができない議員を映し出すことで、「こいつ、ひょっとしてただのバカなのでは?」という印象を受け手に与える可能性が高い。それが「迷惑行為」っぽい文脈と津田大介氏は受け止めたのかもしれない。

あるいは、もう「坊主が憎けりゃ袈裟まで憎い」の精神になっていて、「子育て中の女性の望みが叶えられないのは悪。両論併記は悪。全面的賛成以外は敵」という認知のゆがみが生じているのかもしれないですね。TBSのニュースはぜんぶ駄目だと私が認知しているのと同じかもね。私は前言を撤回し深くお詫び申し上げます。

おそらく津田大介氏にとっては、「議員のサイドから事前にテレビ局に「取材してくれ」という申し出があった(だろう)にも関わらず、こんな残念な形でのコミットしかできないので、やはり日本のマスコミは全然だめ(俺ならもっとうまくやる)」ということなのだろう……。

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