借金がふくらむのと資産が減るのとを比べてどっちが悪いかといったら「借金がふくらむ」方が悪いに決まっているわけで、「資産と借金の差は赤字国債を発行するのとまったく変わらない」などと詭弁を弄する新聞のレベルの低さには呆れかえる。地方にとっては赤字国債の発行によって公共事業を呼び寄せて、景気を浮揚させてもらいたいというのはよくわかるんだけど。追加経済対策の財源として財政投融資特別会計の準備金など「埋蔵金」の活用を当てにしている点も納得しかねる。
準備金は法律で国 債の返済に充てると規定された国民の資産である。それを経済対策に使えば、借金である赤字国債を増やさないで済む。しかし、資産を減らすか、借金を増やす かの違いであり、資産と借金の差は赤字国債を発行するのとまったく変わらない。どちらにしろ、国のバランスシートは傷むし、財政が悪化する点では同じであ る。
財政悪化の指標となる国債残高の増加を招かないため、政府・与党には国民が受け入れやすいとの判断があるようだ。だが、それはまやかしにすぎない。
それなら、むしろ赤字国債を発行することで、財政悪化を包み隠さずに公表し、国民の理解を得るべきではないか。追加経済対策として真に必要なら、国民は納得するはずである。
たとえば「地震や火事などの災害が起こって幹線道路や生活道路が潰れたときに生活が成り立たなくなる」から道路はもっと必要だ、という意見があるが、こうした緊急用の道路ばかりを作っていてもあんまり意味がないんじゃないかと思う。実際に地震が来たら道路が1本だろうと2本だろうとまとめて潰れかねないわけで、緊急時には学校のグラウンドにヘリで物資を降下させ自衛隊が作戦を展開した方が確実で安上がりなんじゃないかな。素人だからわからんですけど。
で、どうせ道路を造るなら、経済効果が望めるようなものであったほうがいいのではないか。それまで峠を迂回して3時間かかっていた山越えがトンネル1-2本のおかけで30分で行き来できるようになり、これまで隣町でなかった町が隣町になる、隣の経済圏に遊びにいける、お買い物にいける、というほうがよいわけです。緊急時のために塩漬けにされる道路よりは、普段からみんなに使ってもらえる道路のほうが幸せな気がする。
とはいえ、経済効果が望めるような道路の工事に着工しても、それができあがるのは10年先だったりするわけだから、今さら作っても直近の経済対策としては間に合わない気もする。要は長期的な観点がないままに、道路に限らず公共事業全般を計画・施行してこなかったツケが回ってきているわけであり、役人や政治家は無能のそしりを免れることはできないだろう。
